United We Stand 解離性同一性障害当事者向け冊子

◆解離性同一性障害の当事者向け冊子”UNITED WE STAND”をデータに起こした物です。

1.はじめに

2.解離性同一性障害とは

3.事の起こりから始めましょう

 

解離性同一性障害、当事者のために- イメージ画像


4.解離する能力とは?

あらゆる虐待はどれも傷つける物であり、間違っています。
ある種の虐待はそれ以上です。長い間、虐待にさらされていると多くの子どもたちは、生き残る為の特別な方法を見つけます。それが解離と呼ばれるものです。

解離は、生き残る為の大変効果的な手段です。つまり傷つけられている子供達を、精神的に逃れさせてくれるからです。

その身体と心は分離しているように見えます。

身体が傷つけられている時でも、その人は何も感じません。その心(魂)は安全な場所へどうにか逃れられるからです。

全ての子どもが同じように解離するわけではありません。

ここに間違った解離の仕方を挙げてみましょう。

 

ジョニーの父親はほとんど毎晩ベルトで彼を鞭打っていました。よく黒や青のあざを作り、時には出血もしていました。

彼は幼すぎるし、父親に比べると尚更です。抵抗することも出来ませんでした。逃げることも出来ませんでしたし、打ち明ける人もいませんでした。

そして何とか話しを打ち明けようなど想像すらしませんでした。彼は恐かったけれども、父親の愛を望んでいました。

他にするすべもなく、父親が彼を打ち始めると家の中の壁にせなかを付けて立ち、身体が父親に打たれている間、彼は心の中で冷たく硬い壁の中に入り込み、何も感じなくなりました、その瞬間、彼は身体的な苦痛から逃れる方法を見つけました。

リサの父親と兄弟は少なくとも週に二回は彼女の部屋に入り込み、棒状の物を膣や口の中に交代で入れました。

リサは起っていることが恐くて嫌でしたが、出来ることは何もありませんでした。

そこで彼女(の心)は身体を離れてベットの上の壁に漂うようになりました。時々、リサと呼ばれている誰かに起こっていることを眺めていました。

それはまるで他人事のように、彼女は何も感じませんでした。

 

レアンヌは幼い少女で、彼女の両親は黒魔術に所属していました。

彼女は他の子ども達が虐待されているのを見ることを強要されました。

彼女は自分や他の子供たちが殺されるのではないかと恐れていました。

抵抗も出来ず、助けてくれる人もいませんでした。

彼女は精神的に分離することを学び、ある別の少女が入れ替わりました。

その人は彼女より大きく、あまりこわがらず、同じように何も感じませんでした。

これはレアンヌの人格の一人で、名前はカルロッタでした。彼女はレアンヌを守りたかったのです。

 

これらの全ての子供達はある程度解離していました。

やがて彼らは解離を『分離する』、『立ち去る』、『中に入る』、『小さくなる』、『空っぽになる』、『隠れる』と呼ぶことを学びました。子どもたちは解離に対し多くの名前を持っています。

解離が起こります。それは傷に対処するように導く1つの方法です。

そしてその人は機能し、生き残ることが出来ます。苦痛の感覚を失います。しかし、あいにく苦痛が解決したわけではありません。

最後には苦痛が除かれる為に開放される必要があります。

 

解離はまた特有の問題を起こします。

実際、解離している人々は時々「目がさめて」、自分のいるところにどうやって辿りついたかわからないとか、自分は本当は誰なのかと混乱しています。

ある虐待を受けている子どもは「天井から見下ろしているのが自分ならば、ベッドの上で痛めつけられているのは一体誰ですか」と私に話した。

解離はその人々におそらく現実ではないとか、生きている感じがしない、ロボットのような感覚を引き起こします。

一部の子ども達(そして大人達)は血が流れ、生きていることを確認する為に皮膚を傷つけます。

解離のもうひとつの問題は、あなたの顔に物を投げたときに瞬きをするような反射的な反応を引き起こすことです。

この反射的な反応は非常に助けになり、一時的な安全感を与えるのでその人は解離に気付くことも無いかもしれません。

ここに反射的な反応の例を挙げます。

 

ある小さな子どもはいつも叩かれてきました。

彼は打撃を阻止する為に、腕を上げて自分の前で交差しました。

やがて後に、誰かが彼に近寄ったり突然動いたりすると、それが打たれる危険性のない場合でも、自動的に自分を守ろうとしました。

その習慣は学習されてきたものです。

ずっと自分自身を守りつづけてきた場合、周囲の人々は何か悪い事があったと考え、彼を避けるようになりました。

 

子供の頃から非常に役だって来た事が、もう必要でなくなったのです。

実際、今では友人を作ったり、付き合ったりすることの邪魔になっています。

 

 解離は習慣になります。

彼らはほんの些細な厄介な出来事の徴候に対しても、すぐに『立ち去る』ことが出来ます。

残念ながらずっと立ち去っている場合、離れる本当の理由があるのかどうかを知るすべもありません。

 

解離する一部の人々は、自分たちが離れたり、とどまったりするときにコントロールできないと解離を好きになりません。

彼らは試すこともなく解離する事ができます。

とどまったり離れたりする事をコントロールできないと感じると、解離に対してよい感じを持ちません。

この場合、周囲に助けを求めて意味のある状況のひとつです。

治療者はその人たちが離れたり、とどまったりすることをよりコントロールできるように学ぶことを助けます。

起こっていることをコントロールできることは快い感情をいつも与えます。

(つづく)

5.解離が解離性同一性障害になるとき


この文章の全ての著作権は下記に帰属します。
UNITED WE STAND:A Book for People with Multipile Personalities

◆解離性同一性障害の当事者向け冊子
”UNITED WE STAND”は、私が主治医から解離性同一性障害の診断結果を告げられた時に渡された、解離性同一性障害当事者向けの冊子です。
翻訳当時「多重人格」と呼ばれていた病名の部分は現在「解離性同一性障害」に変更になっているため書き換えてあります。

◆訳者について
この冊子を紛失し、掲載すべき訳者の先生がたの名前が不明となっております。
もしこの冊子をお持ちの方や、訳者をご存知の方がいらっしゃいましたらご連絡下さい。