子供にとっての、「安全な基地」であること、その中で子供が自らの「自己」を十分に発達させることが出来ること、これが健康な家族の機能です。

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ですから、正しく機能している家族では子供を脅かしたり、子供に責任を感じさせてしまったりする親や親代理がいません。
子供はその中で、一定の役割を押し付けられることもなければ、親の価値観を無理やり取り込ませられることもありません。
家族の壁はあっても、そこには通気口やドアがあって、外気が自由に出入りしていますし、時には外の人物も入り込んできます。家族の中で語ってはならないことがありませんし、外界に対して秘密にしておかなければならないこともありません。
こうした家族の中で、子供は見たものや感じたことを口にし、怖がり、怒り、不安がり、疑問があれば大人たちに質問します。見たり感じたりすることを言葉にする家庭の中に、子供の心の発達があるのです。

 秘密やルールでがんじがらめにされた家族では、見たものを見ないことにし、感じたものを感じなかったことにすることが日常行われています。その結果、言葉は敵視され、喋ることに罪悪感を伴うと言う、独特の雰囲気がかもし出されます。その中で育つ子供は、言葉にされないルールにからめとられ、子供の心(自己)はある段階で止まります。アダルト・チルドレンを世に出す家族(機能不全家族)とは、そうした家族です。

機能不全家族 機能している家族
●強固なルールがある
●強固な役割がある
●家族に共有されている秘密がある
●家族に他人が入り込むことへの抵抗
●きまじめ
●家族成員にプライバシーが無い(人間の境界が曖昧)

●家族への偽りの忠誠(家族成員は家族から去ることが許されていない)

●家族成員の葛藤は否認され無視される
●変化に抵抗する
●家族は分断され、統一性が無い●強固なルールが無い
●強固な役割が無い
●家族に共有されている秘密が無い
●家族に他人が入ることを許容する
●ユーモアのセンス
●家族成員はそれぞれ個人のプライバシーを尊重され、自己と言う感覚を発達させている
●個々の家族成員は家族であることの感覚を持っているが、家族から去ることも自由である

●家族成員間の葛藤は認められ解決が試みられる
●常に変化し続ける
●家族に一体感がある

 上図はアメリカのクリックバーグというセラピストが「ACOA症候群」という本の中でまとめた、アルコール依存症者を抱えた家族と健康家族との相違点です。しかし、アルコール問題の有無に関わらず、機能不全を起こしている家族は全て上図のような特徴を備えています。

機能不全家族は全体主義国家や宗教的カルトのようにここの家族成員を拘束して、一定のルールの下での生活を共用し、個々人のプライバシーを軽視します。その被害を特に受けるのが子ども達で、親達から有形無形に侵入され、家のルールに自ら進んで拘束される「良い子」になりがちです。
彼らは窒息感を抱きながらも、家族から離れられず、家族の現状を躍起になって守ろうとします。この努力がかさねられるうちに、子ども達は機能不全家族を維持し続けるための一定の役割にはまり込み、それを演じ続けることになります。→「家族の中での子供達の役割」


参考文献:アダルト・チルドレンと家族 斉藤学
関連文献:家族の中での子ども達の「役割」