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メンタル的な病気の場合、遺伝的なものを除くと発症には家族との関係が大きくあることが殆どです。
外側からはいい家庭に見える場合でも、家庭内では母親が非常に支配的であったり、父親が暴力的である、若しくは母親が子どもに過干渉、父親が家庭内で不在による母子密着などはどこの家庭にも一面として存在する可能性があり、その歪みを子どもが受けて精神的な病気になるというのはよくある例です。

家庭と病気の関係は切っても切り離せません。

 

 

家族の中に病気や障害を持つメンバーが出来た時の家族の立場は、

1.原因 2.遷延(せんえん)因子 3.資源 4.犠牲 のどれかに入ると考えられます。
下記に順を追って説明していきます。

 

1.原因

これは、家族のために病気が発病したと言うものです。
身体の疾患では家族とは関係なく発病すると考えるのが普通でしょうが、精神疾患の場合は、親の育て方に問題がある場合もあります。
近年、子供の心的外傷原因として家族による虐待(←リンク先を参照の事)が注目されています。これによって、PTSDやC-PTSD(複雑性PTSD)を発症することがあります。PTSDに絡んで、抑うつ感・睡眠障害・摂食障害・自傷・人格障害をも患うこともあります。

2.遷延因子

遷延(せんえん)因子とは、家族のために病気がなかなか治らない状況に対して使います。これは、家族が子供の療養に関して無関心であったり、健康や治療法に関する誤った信念を患者に押し付けようとする場合に起こります。例えば、家族が薬の副作用を恐れるあまり、子供に指示通り服用させず、その結果てんかんの痙攣発作が上手くおさまらない場合などがこれにあたるでしょう。
また、日本では昔から病を祓う習慣があり、それが転じて、DIDの場合には特に、親が「お祓い」に走ってしまう傾向もあります。

3.資源

これは、家族の身内メンバーの療養にとってプラスとなるような役割を果たすことです。確かに家族でなくては出来ない役割があります。家族自身がそれを望むし、医療関係者も家族の力を宛てにしています。
しかし、資源であることと表裏の関係として、家族は何らかの犠牲を強いられます。多くの人が、生死にかかわるような大病でなくても、身内の看病でへとへとに疲れた体験を持っていると思います。身内の誰かが病気になると、仕事などの社会的活動に影響が出たり、趣味など個人の他の個人の時間なども持てなくなります。

4.犠牲

多くの場合、家族は身内の病気を治したい一新で無理をいとわず看病を続けます。幸いにして一回の手術で治癒に向かう場合などは、そのまま乗りきれるでしょうが、改善に時間がかかる場合、再発を繰り返す場合、障害が残る場合など、頑張りだけでは乗りきれないことも起こりえます。仕事を辞めたり、子供の場合は、家族の病気のために進学や結婚を諦めるなど、大きな決断をせざるをえなくなるかもしれません。
更に、医療や療養のための費用が高額であると家計にまで影響が出ます。保険制度が十分でないある国のことですが、家族が病気で治療を受けたところ家を手放さざるをえなくなったという話を耳にしたことがあります。様々な困難が重なると、家族自信が燃え尽きてしまうことになりかねません。家族が病気の人を支えるだけでなく、家族を支えるものが必要となるゆえんです。

参考文献:心のブラックホール うつとアディクションの病理 斉藤学他

関連文献:「回復した家族になるポイント」