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グリーフワークとは、自分自身の傷ついた体験を
正当に喪失として嘆き、見送るという心理的なプロセスのことです。

 

グリーフワークは三段階に分かれています。

1.変化、旅立ち(リスク・テイキング=積極的に危険を冒す)

これを行わないと、現状からの「旅立ち」は起こりません。

「現状を脱皮しよう」という動機がなければ、変化を導く気持ちはなかなか出てこないのです。
普通、「このままではすまない」という状況に押されて、お尻に火がついたような状態で「変化」へと飛び出す場合が多いのですが、このような場合にも、解決を模索していくなかでだんだんに、自分自身の内面の旅立ちのほうへ課題を移していかなければなりません。
例えば、子供の登校拒否に悩んだ事をきっかけに「解決」の模索を始めてもいいのですが、そこから子供の問題ではなく、自分の変化という課題にたどりつかなければ、この第一歩をクリアした事にはなりません。

2.過去を振り返る段階

過去を回想して場合によっては感情を復活させます。
みんながみんな感情が麻痺しているとはいえませんが、感情の復活と呼びます。
これをグリーヴィング「悲観する」仕事と言います。
この仕事を一定期間やります。
私たちは普通、どこかで感情を閉ざしていなければ、うまく社会生活を送ることが出来ませんので、自分にとってネガディブと思われる感情、主に「泣く」、「怒る」という感情は眠らせていますから、これを復活させる必要があります。

3.リコネクション「再建」「再構築」。

コネクションとは、人間のつながりの事ですが、グリーヴィングの段階で持っているコネクションとこの三段階目で言うコネクションとは明らかに違ってきます。違ってこないようでしたら、リコネクションがうまくいっていないわけです。

『2.過去を振り返る段階』のトンネルを抜けると、景色が変わっています。
この景色とは、人間関係のことですが、このトンネル通過の間に、いらないもの、無駄なもの、危険なもの、有害なものが取り除かれています。

皆さんの今の人間関係をざっと書き出してみて、試しに色分けしてみたらどうでしょう。
赤は有害、緑は安全、将来の見込みが立ちそうな人には星印…と分けてなるべく有害な人との関係は薄くするか切るかして、有益な人だけどんどん取り込んでいきます。
しかし、第一段階のリスク・テイキングをしていなければこれが実行出来ません。
有害な人から離れれば寂しくなってしまいますから、、離れる事ができず、いつまでも危険で有害な関係が続きます。

それぞれの段階の作業を進めるためには、各段階について、モティベート(動機づけ)がしっかりなされていなければなりません。
「現状のままではうまくいかない」と分かるまでに、人は何度も何度も失敗を重ねていくものです。

例えば、結婚をすると半年もたったないのに何度でも結婚を繰り返す人が居ます。
一番多いのは、失敗の原因を「相手が悪かったからだ」と考えるタイプです。
「今度の相手は大丈夫。前の人とは正反対ですから」と、浪費家で大酒のみの前の夫に懲りて、今度は酒も煙草も飲まない仕事一筋の人を選んだのに、やっぱり駄目だったということは良くあります。
それもそのはず、「正反対」とは、鏡に映った姿のように左右取り違えているだけで、実は同じなのです。
放蕩者と石部金吉は紙一重です。
よく、「40過ぎて遊びを覚えると恐い」といいますが、40までまったく遊ばなかった人と放蕩者はもともと同じ性質を持っているのです。
こうして失敗を繰り返し、「どうも私は何か問題を抱えているようだ」と感じたら、これは第一段階の「旅立ち」への動機付けになります。


参考文献:斉藤学公演集<Ⅲ>心の傷の癒しと成長