解離のメカニズムとして幼少期の外傷体験による説を説明します

一般に成人の場合、催眠感受性(催眠にかかり易い度合)は安定しており、外傷体験によって変動する事はありません
ところが、小児期の心的外傷は患者の解離傾性(=解離能力)を強めるらしいと言うことが解ってきています。

※余談※
催眠とは、「制御され、構造化された解離」と言われています。

中でも、多彩、多発性、長期型で、慢性的に心的外傷にさらされているこどもは、

「自分じゃない」

「痛くない」

「何も起こらなかった」

と否定する事でその苦痛から逃れようとします。 

<ある種の自己催眠>
=自己意識、記憶、感覚を変容させる事でこの否定を更に強め、
子どもを精神的に避難させてくれるのです。
解離・そして子どもの催眠感受性は増大します。

また、ある説*2)では

通常、子どもは皆


複数の
意識状態を持っており、その間を往来しているそうです。
=行動に統一性が無い、極端。

赤ちゃんを含め、幼い子供が、すぐ泣いたり笑ったりするのはこのためですね^-^

これらは発達過程において徐々に統合されます。
ところが、反復する心的外傷を受けた子どもは、意識の分離を進める事によってある種の記憶や自己感覚を切り離そうとします。

=解離機制

こうして行動状態が十分に統合されないままに成長した人は成人になっても解離し易い性質を持ちつづけていることになります。

⇒解離性障害を起こす可能性もあるのです。

催眠感受性が高いということになります。

高度催眠感受性を示す人は、物事を外傷的に体験し易い(=解り易く言うと傷つき易い)と言われています。
例 ) 同じ外傷体験に対して、催眠感受性の高い人はPTSD様反応が長く続く、等。


参考文献[ 精神科治療学 第12巻 第9号 p1017-1024 安克昌 (1997年9月) ]

[ 精神科治療学 第10巻 第1号 p9-19 岡野健一郎 (1995年1月) ]

*1)DSM-Ⅳ 精神疾患の診断・統計マニュアル.医学書院,東京1996.)

*2)Putnam,F.W.:Diagnosis and Treatment of Multiple Personality Disorder.The Guilford Press,New York,1989.